![]() | 法然の衝撃―日本仏教のラディカル (ちくま学芸文庫) (2005/11) 阿満 利麿 商品詳細を見る |
『徒然草』の著者・兼好法師は、法然浄土教の魅力を次のように記している。
ある人、法然上人に、「念仏の時、睡りにおかされて行を怠り侍る事、いかゞしてこの障りを止め侍らん」と申しければ、「目の醒めたらんほど、念仏し給へ」と答えられたりける、いと尊かりけり。また、「往生は、一定と思へば一定、不定と思へば不定なり」と言はれけり。これも尊し。 (第三九段)
(…)
かねて私は、この段が、法然浄土教の本質をきわめて正確につかんでいると考えてきた。というのも、前者のエピソードは、法然の念仏が、昔からの苦行主義とまったく異なる世界のものであることをはっきり示しているし、後者は、法然浄土教において、〈信〉がいかに重要な意味を持っているかを示してあまりあるからである。
(73-74頁)