モンドの読書日記

都内の某大学へ通う学生による、日本や海外の文学関連書籍を中心とした読書記録。

悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)
(1988/06)
水木 しげる

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水木 しげる (著)
『悪魔くん千年王国』 (ちくま文庫、1988/06)

たまには漫画でも。
これは1970-71年頃の作品らしい。

悪魔くん:
国境をとりはらいバカな戦争をなくす

トカゲオトコ(の皮をかぶった人間・佐藤―モンド注):
メシヤ なにも戦争は国境ばかりのためでなく人間の欲望がそうさせるのでしょう

悪魔くん:
そうだね 原因はいろいろあるだろう しかし地球をひとつの国にし……
バカバカしいさいげんのない欲望がどれだけじぶん自身を苦しめ そして人びとを苦しめているかを……
公害がおしえているじゃないか
国境も考えてみりゃあ 人間にとって公害のひとつかもしれない

(546ページ)



小学校二年生の松下一郎こと悪魔くんが、貧富の差のない、戦争のない、千年王国を築こうとするはなし。もう一つちくま文庫で出ている「悪魔くん」(1964年)とは、また別もの(らしい)。

悪魔くんは上に引用したようなものの考え方をしているし、にもかかわらず彼が呼び出した悪魔はまったくの悪いやつで金銭欲のために悪魔くんを騙して死に至らしめる。

千年王国を築くために、悪魔のちからが必要ってところからしてお腹にこたえる。
色々な場面で善悪や理想と現実とが交錯していて、読めば読むほど沈黙してしまう。

とにかく長い漫画だけれど、「水木さん」の思想(という語を使っていいものやら)を感じるには大変すごい一冊なのだろう。

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