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学問の大禁忌は作輟なり。或は作し或は輟むることありては遂に成就することなし。故に片時も此の緩がせなくするを、その志を持すると云う。(吉田松陰、「講孟箚記」安政二年七月二十六日)
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サンポが欲しい(『カレワラ物語―フィンランドの神々』)
2009年03月20日 (金) | 編集 |
『カレワラ物語 フィンランドの神々』(小泉保(編訳)、岩波少年文庫)

サンポというのは、「富を生産する秘密の器械」(180ページ)。
岩波文庫でも『叙事詩カレワラ』が復刊されているようですね。この少年文庫は、その叙事詩の大筋を物語として編訳されたもの。なおカレワラとは、「カレワという部族の勇士たちの国」という意味だそうです。
19世紀、医師エリアス・リョンロートがカレリア地方(フィンランド東部)の農村を訪ね歩いて、聞き取り記録したそうな。

物語としても面白いのだけれど、訳者あとがきにこんなことが。

 フィンランドは西暦一〇〇〇年ごろ、キリスト教を広めようとする北方十字軍によりスウェーデンに占領されました。それから七百年の間スウェーデンに支配され、そのため公的な行政や教育はスウェーデン語で行なわれ、フィンランド語はたんなる民衆のことばにすぎませんでした。ところが、一八〇九年にスウェーデンはロシアと戦って敗れたために、フィンランド全体がロシアに譲りわたされてロシア領となってしまいました。
 そのころから、知識階級の間に自分の国のことばが大切であることが認識され、地方で歌い語られてきた民間の伝承詩が注目されるようになりました。農村では以前から農民詩人により物語を述べる叙事詩や信条を歌う抒情詩が作り出され、歌いつがれていました。
(182-183ページ)

 この『カレワラ』の出版(リョンロートによる1835年の出版―引用者注)は国外からも国内からも大きな反響がありました。ドイツのヘルデルという思想家は「叙事詩をもっているということは独自の文化を備えていることになるから、国民としての資格がある」と褒めたたえました。フィンランド人にも自分たちがこのような立派な文化的財産を所有していることの誇りと喜びがわきあがり、国民としての自覚をもつようになりました。こうして、人々の間に独立の機運がたかまり、ついに一九一七年にフィンランドはロシアから自主独立を勝ち取ることができました。
(184ページ)


私がいま目にしている文字ひとつにも、私よりも長い歴史があるのだな。当然のことなのにな。
そういえば某携帯電話のCMで、日本の昔話を省略して語る場面があって、最後に女優が「めでたし」と言っている(製作者が言わせている)。でもそこでとりあげられている「浦島太郎」とか「かぐや姫」とか、どう考えても「めでたし」では終わらない話なんだけど。
変なの!

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