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学問の大禁忌は作輟なり。或は作し或は輟むることありては遂に成就することなし。故に片時も此の緩がせなくするを、その志を持すると云う。(吉田松陰、「講孟箚記」安政二年七月二十六日)
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働ける心身状態を維持するのも簡単ではない(竹信三恵子『ルポ雇用劣化不況』)
2009年09月13日 (日) | 編集 |
ルポ 雇用劣化不況 (岩波新書)ルポ 雇用劣化不況 (岩波新書)
(2009/04)
竹信 三恵子

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・竹信三重子『ルポ雇用劣化不況』岩波新書

 劣悪な労働環境
→労働者の心身不全
→生産物の劣化
→顧客離れ
→業績不振
→無理な業績向上への追いたて
→劣悪な労働環境
→(以下くりかえし)

あー。日々常々、疑問におもい、憤り、また将来を恐れ憂えていたことが、この本で沢山の事例とともに語られていて、改めて真剣な気持ちになった。

私は、2007年夏に北九州市で「おにぎりが食べたい」と書いて餓死された方のいたことを忘れられない。現在のところ新聞でもネットのニュースでも、餓死者の記事は殆ど見当たらないけれど、日本で(も)確実に飢えて亡くなる人がいる。この現在の日本で。
「この現在の日本で」という、あたかも「普通ありえないから!」といった気持ちを感じさせる表現は、要するに「現在の日本は〈飢餓〉といった苦しみとは縁遠いはず」という意識があるから書かれるわけだが、それがどんなに根拠のない楽観的な考えであることか。

読んでいて、本当に暗くなった。北一輝の主張したように、個人の財産の上限(北はたしか当時で「百万円」といった)でも何でも決めて欲しい。
日本の借金が1085兆円あるときに、ウン十億の家に住むような人が首相になったような国は、おかしい(今回の選挙でその首相も変わるだろうが、次も大差あるまい)。

・・・というのは、ひがみ根性に向かう考えなので中断。
(でもやっぱり、経営立場にある人がおのれの失策で会社を傾けておきながら、自分たちの給料はほとんど減らさずに雇用者を切り捨てたりしていくのは、本当におかしい。)

本を読んで雑感をいくつか。
・「社員箱詰め事件」ってなによ!とんでもないことだ!
・折口雅博というのは、ある意味偉い人なのかもしれない。コムスンの介護報酬不正請求事件は、介護する側にあった人たちがいかに低賃金だったか、ってことだ。
・中間管理職の人たちも大変なのだな。
・経営者や管理職にある人は、倫理道徳を学んで欲しい。年収300万円で暮らしてみて欲しい。私は年収200万を目指すべきだが。

最後にこんな文があって救われたような気がした。

だが、いくつもの現場の行き詰まりを取材してきた目から見て、脱出への道は意外に単純なように思える。まずは、「市場が決める」という呪縛から逃れ、現実の人間が抱えているニーズにしっかりと向き合うこと、そのうえで、手持ちの何を使ってそのニーズに多少でも寄り添える改革を施すかを考えること、そのための手がかりの場として、働き手のニーズをまとめあげる労組や勉強会などの人のネットワークを身近なところで再建していくことだ。
(226頁)


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